1分でわかる!gooddo編集部まとめ

  • 京都の環境技術企業Eサーモジェンテックが開発した「フレキーナ®」は、300℃以下の排熱を電力に変える画期的な技術。
  • 環境省主催「環境スタートアップ大賞」で最高評価の環境大臣賞を受賞。
  • 従来の技術では難しかった低温排熱の効率的な回収を可能にし、CO2削減や資源保全に貢献。
  • 創業者の南部氏の挑戦と、技術者たちの粘り強い努力が結実した成果。

捨てられる熱を電力に変える!Eサーモジェンテックの挑戦

「熱は捨てるしかない」と思っていませんか?実は、製造業の工場や発電所、データセンターなどから放出される300℃以下の低温排熱は、全体の排熱の約75%を占めています。この膨大なエネルギーを活用できれば、CO2削減や資源保全に大きく貢献できるのです。

京都府の環境技術企業Eサーモジェンテックが開発した「フレキーナ®」は、こうした低温排熱を効率的に電力に変える画期的な技術です。この製品は、環境省主催の「環境スタートアップ大賞」で最高評価の環境大臣賞を受賞しました。

「フレキーナ®」の技術革新と社会的インパクト

「フレキーナ®」は、携帯電話などに使われるフレキシブル基板に熱電素子を並べた構造を持ち、排熱管に密着することで従来の2~3倍の熱回収効率を実現しました。この技術により、これまで経済的に実用化が難しかった低温排熱からでも、投資回収性の高い電力変換が可能になりました。

この技術の社会的インパクトは計り知れません。例えば、工場や発電所での排熱を電力に変えることで、化石燃料の使用量を削減し、CO2排出量を抑制できます。また、都市部の施設から放出される熱量を減らすことで、地球温暖化の抑制にも寄与します。

創業者の挑戦と技術者たちの努力

Eサーモジェンテックの創業者である南部修太郎氏は、パナソニックで半導体や液晶の研究開発に従事した後、「日本を技術者が挑戦できる社会にしたい」という思いで起業しました。熱電発電の社会実装が進んでいない状況に疑問を抱き、フレキシブル基板を活用した新しいモジュール構造を考案。これが「フレキーナ®」の誕生につながりました。

現在、代表を務める岡嶋道生氏は、南部氏の情熱に触れ、自らもこの挑戦に加わることを決意。技術者たちの粘り強い努力が結実し、今回の受賞につながったのです。

Eサーモジェンテックの技術は、持続可能な社会の構築に向けた重要な一歩です。私たちも、こうした技術に注目し、環境問題への理解を深めることが大切です。興味を持った方は、ぜひ同社の取り組みをチェックしてみてください!

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【解説】捨てられる熱を電力に変える技術って何?

工場や発電所から出る「捨てられる熱」を電力に変える技術があるって聞いたんですけど、どういう仕組みなんですか?

gooddo編集長

捨てられる熱、つまり排熱を電力に変える技術は「熱電発電」と呼ばれます。熱電素子という特殊な部品を使い、温度差が発生すると電気を生み出す性質を利用しています。例えば、熱いお湯と冷たい水を使って発電するイメージです。この技術を使えば、工場や発電所で捨てられていた低温の熱を電力に変えることができます。

低温排熱ってどれくらい捨てられているんですか?

gooddo編集長

実は、石油や石炭などの一次エネルギーの約6割が熱として環境中に放出されています。そのうちの約75%が300℃以下の低温排熱です。これまでは、この低温排熱を効率よく電力に変える技術がなかったため、ただ捨てられるだけでした

Eサーモジェンテックの「フレキーナ®」はどうして画期的なんですか?

gooddo編集長

「フレキーナ®」は、フレキシブル基板を使った特殊な構造で、排熱管に密着して熱回収効率を従来の2~3倍に高めています。これにより、低温排熱からでも経済的に電力を生み出せるようになりました。これまでの技術では難しかった課題を解決した点が画期的です。

この技術が普及すると、どんな未来が待っていますか?

gooddo編集長

工場や発電所で捨てられていた熱を電力に変えることで、化石燃料の使用量を減らし、CO2排出量を抑えることができます。また、都市部の施設から放出される熱量を減らすことで、地球温暖化の抑制にもつながります。小さな技術の積み重ねが、持続可能な社会の構築に大きく貢献するのです。

私たちにできることはありますか?

gooddo編集長

まずは、こうした技術に関心を持つことが第一歩です。環境問題について学び、日常生活でエネルギーを無駄にしない工夫をすることも大切です。例えば、家で使う電気やガスを節約することも、地球環境への貢献につながりますよ!