
1分でわかる!gooddo編集部まとめ
- 福島・会津若松市で幻の伝統染物技術「会津型」が復活し、アップサイクルと融合したコンセプトストア「TSUMUGI」がオープン。
- 「会津型」は後継者不足や高齢化により1935年に途絶えた染型紙技術で、現在は福島県の有形民俗文化財に指定。
- 店舗ではアップサイクル素材を活用した商品販売やワークショップを通じて、伝統技術と環境保護を次世代に継承。
- SDGs目標12「つくる責任、つかう責任」に貢献し、若い世代の共感を呼び起こす取り組み。
幻の伝統染物技術「会津型」とは?
「会津型」は、福島県会津若松市でかつて栄えた染型紙技術です。和紙を柿渋で貼り合わせた渋紙に彫刻刀で柄を彫り、染料を生地にのせて多様なデザインを描く型染め技術で、伊勢白子、京都、江戸に続く第4の産地として知られていました。しかし、近代化に伴い合成染料や洋服が普及し、1935年に途絶えました。
その後、昔の染型紙が見つかり、復活の動きが始まりました。2003年には福島県の有形民俗文化財に指定されましたが、後継者不足や高齢化などの課題に直面しています。そんな中、一般社団法人アップサイクルが「会津型」を現代に蘇らせ、SDGsの理念と融合させた新たな挑戦を始めました。
アップサイクルと伝統技術の融合「TSUMUGI」
2025年4月23日、会津若松市にオープンするコンセプトストア「TSUMUGI」は、伝統技術とアップサイクルを組み合わせた新しい試みです。店舗では、会津型で染めたトートバッグやポーチなどを販売。これらの商品には、ネスレのコーヒー紙パッケージや未利用の間伐材を基にした「アップサイクル紙糸の布」が使用されています。
さらに、会津型の製作体験ワークショップを開催し、訪れる人々に伝統技術の魅力を伝えるとともに、環境保護への意識を高める活動を行っています。店舗の内装材や販売商品もアップサイクル素材を活用しており、まさに「つくる責任、つかう責任」を体現する場となっています。
SDGsと若い世代へのメッセージ
SDGsの達成期限である2030年が迫る中、日本は目標12「つくる責任、つかう責任」において課題を抱えています。「TSUMUGI」の取り組みは、環境への配慮と伝統技術の継承を両立させることで、SDGsの達成に貢献しています。
「TSUMUGI」のオープンに至るまでには、クラウドファンディングを活用するなど、多くの人々の支援がありました。一般社団法人アップサイクルの瀧井和篤事務局長は、「伝統技術を継承するには、情報発信を通じて若い世代に共感を呼び起こすことが重要」と語ります。
実際、店舗改修には全国22の企業や団体が参画し、壁材や床板などの内装材もアップサイクル素材を使用。これにより、環境配慮と伝統技術の融合を体現する空間が完成しました。
「TSUMUGI」は、単なる店舗ではなく、伝統技術の未来を紡ぐ拠点として、地域の活性化や観光促進にも寄与することが期待されています。ぜひ訪れて、会津型の魅力を体験してみてはいかがでしょうか?
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【解説】SDGsと伝統技術の関係は?

SDGsと伝統技術って関係あるんですか?

はい、関係があります。SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」は、環境に配慮したものづくりを推進することを目指しています。「会津型」とアップサイクルの取り組みは、まさにこの目標に貢献しています。
たとえば、使われなくなった素材を活用して新しい商品を作ることで、廃棄物を減らし、環境を守ることができます。伝統技術を未来につなげることも、SDGsの理念にぴったりです。

どうして伝統技術を守ることが大切なんですか?

伝統技術は、その地域の歴史や文化を伝える大切なものです。でも、後継者不足や高齢化で失われる危機にあります。守らなければ、未来の世代がその技術を知ることができなくなってしまいます。
たとえば、家族で受け継いできたレシピが誰も作らなくなると、味が忘れられてしまうのと同じです。「会津型」を守ることは、地域の文化を未来に伝えることにつながります。「TSUMUGI」では、若い世代が伝統技術に触れる機会を作ることで、未来に技術を紡いでいこうとしています。

アップサイクルって何ですか?

アップサイクルは、使い終わったものを捨てずに、新しい価値を持つものに生まれ変わらせることです。たとえば、古い紙や木材を使って新しいバッグや服を作ることがアップサイクルの一例です。
「TSUMUGI」では、紙資源や間伐材を使って「紙糸」という素材を作り、それを使った製品を販売しています。これにより、環境に優しいだけでなく、伝統技術も守ることができます。

私たちにできることはありますか?

もちろんです!まずは、伝統技術について知ることが第一歩です。そして、実際に体験してみたり、製品を購入することで応援することができます。「TSUMUGI」では、会津型の染色体験ができるので、ぜひ訪れてみてください。
伝統技術を守ることは、地域の未来を守ることでもあります。あなたもその一歩を踏み出してみませんか?