
1分でわかる!gooddo編集部まとめ
- 株式会社U-POWERが、九州エリアで太陽光発電所向けに大型蓄電池を無償提供する新事業を開始。
- 出力制御問題を解消し、FIP制度への移行を支援することで収益性を向上。
- 「タイムシフト売電」により、発電電力を需要が高い時間帯に販売可能。
- 再エネの有効活用と収益改善を同時に実現し、脱炭素社会の実現を目指す。
出力制御問題とは?九州の太陽光発電が直面する課題
再生可能エネルギーの導入が進む中、九州エリアでは特に太陽光発電が活発に展開されています。しかし、発電量が増加する一方で、電力需要が低い時間帯には「出力制御」と呼ばれる発電抑制が行われることが増えています。経済産業省のデータによると、九州の年間制御電力量は過去5年間で約13倍に増加。この問題は、特に固定価格で電力を買い取る「FIT制度」で運用されている事業者にとって大きな課題となっており、これによって発電事業者の売電収入が大幅に減少し、事業継続が困難になるケースも増えています。
この問題を解決するため、株式会社U-POWERは、太陽光発電所併設型の大型蓄電池を無償提供する新事業を開始しました。蓄電池を活用することで、発電した電力を需要が高い時間帯に販売する「タイムシフト売電」が可能となり、出力制御の影響を回避しながら収益性を向上させる仕組みです。
U-POWERの新事業がもたらす変革
U-POWERの新事業は、単なる蓄電池の提供にとどまりません。従来の固定価格買取制度(FIT制度)から市場連動型のFIP制度への移行を支援し、発電事業者が効率的に収益を最大化できる環境を整えます。
具体的には、以下の2つのモデルを提供しています:
- 蓄電池無償設置型
- 発電事業を継続したいが設備導入が難しい事業者向けに、蓄電池を無償設置し、タイムシフト売電を代行。これにより安定した売電収入を確保できます。
- 発電所買い取り型
- 発電設備を手放したい事業者向けに、発電所を一括買い取りし、蓄電池とFIP制度を活用した柔軟な運用を実施。事業者は運営負担から解放され、まとまった資金を確保できます。
これらのモデルは、事業者の多様なニーズに応えるだけでなく、電力系統の安定化にも寄与します。再エネの主力電源化を目指す日本にとって、重要な一歩となるでしょう。
再エネの未来を切り拓くU-POWERの挑戦
U-POWERの取り組みは、単に収益性を向上させるだけでなく、再生可能エネルギーの有効活用を促進し、脱炭素社会の実現に向けた具体的な一歩となります。再生可能エネルギーの普及は、脱炭素社会の実現に欠かせません。また、蓄電池を活用して電力需要が高まる時間帯に電力を供給することで、電力系統の安定化にも貢献します。
今後は九州エリアにとどまらず、全国展開を視野に入れ、発電事業者が抱える課題に対応できる柔軟なサービス提供体制を構築していく予定です。さらに、蓄電池を活用したアグリゲーター事業への本格参入を目指し、再エネ電力の活用促進や総合エネルギーサービスの強化を進めていきます。
再エネの未来を切り拓くこの挑戦に、私たちも注目し、持続可能な社会の実現に向けた行動を考えてみませんか?
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【解説】出力制御って何?再エネの課題をわかりやすく解説!

出力制御って何ですか?

出力制御とは、電力が余ってしまう時間帯に発電を抑えることです。たとえば、太陽光発電は昼間にたくさん電力を作りますが、夜は使う人が少ないですよね。電力が余ってしまうと電力網がパンクしてしまうので、電力会社が発電を一時的に止めるよう指示することがあります。これが「出力制御」です。

出力制御があると、発電事業者は困るんですか?

はい、困ります。出力制御があると、せっかく発電した電力を売ることができなくなるので、収入が減ってしまいます。特に「FIT制度」で運用している事業者は、売電収入が減ると事業を続けるのが難しくなることもあります。

U-POWERの蓄電池はどう役立つんですか?

蓄電池は、余った電力を貯めておくことができます。そして、電力が必要な時間帯に放電して売ることができるんです。たとえば、昼間に発電した電力を夜に売ることで、収益を最大化できます。これを「タイムシフト売電」といいます。

FIP制度って何ですか?

FIP制度は、電力を市場価格で売る仕組みです。市場価格に一定の補助金が上乗せされるので、収益を安定させることができます。FIT制度よりも柔軟な運用ができるため、出力制御の影響を受けにくいのが特徴です。

私たちにできることはありますか?

もちろんあります!再エネを使った電力を選ぶことや、再エネを応援する企業の商品を購入することが、再エネの普及を後押しする行動になります。まずは、再エネについて知ることから始めてみましょう!