1分でわかる!gooddo編集部まとめ

  • 東京都主催の「NFDT/SFDA」は、若手デザイナーを世界へ送り出す国内最大級のファッションコンクール。
  • 今年度は約2,000件の応募から59組(61名)が一次審査を通過し、豪華講師陣によるワークショップが開催されました。
  • コンクールの特徴は、デザインだけでなくビジネス体験やパリでの作品発表など、育成に重点を置いている点。
  • 応募者同士が交流する「アルムナイ」コミュニティも設立され、継続的なキャリア支援が行われています。

東京都が若手デザイナーを世界へ送り出す「NFDT/SFDA」ファッションコンクールとは?

ファッション業界で活躍を目指す若者にとって、「Next Fashion Designer of Tokyo(NFDT)」と「Sustainable Fashion Design Award(SFDA)」は、夢の第一歩となる舞台です。
2022年に創設されたこのコンクールは、東京をパリやミラノ、ニューヨークと並ぶ“世界のファッション都市”に育てるという東京都のビジョンのもとに始まりました。

NFDTは「フリー部門」「インクルーシブデザイン部門」の2部門、SFDAは「ウェア部門」「ファッショングッズ部門」の2部門で構成されています。
 審査員には東京藝術大学学長・日比野克彦氏をはじめ、ANREALAGE森永邦彦氏、CFCL高橋悠介氏、WWDJAPAN向千鶴氏、伊勢丹新宿店リ・スタイルバイヤー橋本航平氏ら、業界を牽引するトップランナーが集結。
 さらにSFDAでは、LVMHジャパン社長ノルベール・ルレ氏やアーティスト篠原ともえ氏、MALION vintage石田栄莉子氏らも審査員として参加しています。

今年度は約2,000件もの応募が寄せられ、59組(61名)が一次審査を通過。パリコレで活躍するデザイナーらによるワークショップに参加し、デザインの発想力とビジネス感覚の両方を磨いています。

また、応募者全員が参加できる「アルムナイ」コミュニティも設立。生地の産地訪問や伝統技法の体験など、年間を通じた交流・学びの場を通して、デザイナー同士のつながりが広がっています。

“選ばれて終わり”ではない。育成に重点を置いたコンクール

このコンクールの最大の特徴は、コンテストで終わらない「育成型プログラム」であることです。
 一次審査通過者には世界的デザイナーによるワークショップが行われ、二次審査通過者には商品化・プロモーションなどの体験機会が提供されます。

さらに、受賞者は翌年に『Fashion Designers Accelerator Tokyo』でビジネス研修を受け、その翌年にはパリ・ファッションウィーク期間中に作品を発表するチャンスが与えられます。

取材日には、「Children of the discordance」デザイナー・志鎌英明氏による制作アドバイス講座が実施。
前半は講義、後半は直接指導という実践的な内容で、会場には緊張と情熱が入り混じる熱気が漂っていました。

若手デザイナーの未来を支える東京都の取り組み

この取り組みは、東京都が掲げる「東京を世界のファッション拠点へ」というビジョンの一環。
産業振興と文化発信の両面から、クリエイターが育ち続ける都市づくりを推進しています。

東京都の担当者はこう語ります。

東京をパリ、ミラノ、ニューヨーク、ロンドンと肩を並べる主要ファッション都市にすることが根本的な目的です。
そのために、世界で活躍できるデザイナーを発掘・育成する場として本コンクールを設立しました。

特に東京2020オリンピック・パラリンピックのレガシーを継承し、「インクルーシブデザイン部門」を設けたのは、誰もが楽しめるファッションを目指す姿勢の表れです。
また「サステナブル」という視点も重要なテーマとして掲げ、ファッションを通じて社会課題の解決に貢献し、次世代を担う人材を育てていきたいと考えています。

一番のポイントは、多様な視点の共創です。
インクルーシブデザイン部門では、障がい当事者と介助者が一緒に参加するワークショップを実施し、「着やすさ」「動きやすさ」「サポートのしやすさ」といった課題を共有しながら服づくりを進めています。

また、審査員や講師には、パリコレ常連デザイナー、伊勢丹のバイヤー、芸術大学の学長など、国内外のトップクリエイターが参加。若手デザイナーにとって、社会性と創造性の両立を学ぶ場になっています。

さらに、あるデザイナーが語った「着物の文化そのものがサステナブル」という言葉が印象的でした。 一枚の布を仕立て直し、長く受け継いでいく日本の着物文化は、まさに現代が目指す“持続可能なファッション”の象徴です。

今年で4回目の開催を迎え、次のステップとしてより社会実装につながる展開を目指しています。 これまでの成果を踏まえ、行政・企業・学校・市民が連携し、作品づくりだけでなく、実際に社会で循環する仕組みづくりにも挑戦していきます。

東京から世界へ。
ファッションを通じて「多様性と持続可能性が共存する社会」を実現し、誰もが自分らしく輝ける街・東京をつくることが、私たちの目標です。

東京から、世界へ。デザインがつなぐ“文化と未来”

昨年度は応募総数が1,000点を超え、受賞作品の地方巡回展示も開催されるなど、全国から注目を集めました。このような取り組みは、若手デザイナーの夢を後押しするだけでなく、東京のファッション業界全体を活性化させる大きな力となっています。
未来のトップデザイナーがここから生まれるかもしれません。

東京から世界へ羽ばたくデザイナーを育成するこの挑戦は、ファッション業界だけでなく、社会全体に新たな価値をもたらします。
ぜひ公式サイトをチェックして、コンクールの進捗や参加者の活躍を応援してください!

関連画像・資料

問い合わせ先情報

【解説】若手デザイナー育成の舞台「NFDT/SFDA」って何?

東京都が主催する「NFDT/SFDA」ってどんなコンクールなんですか?

gooddo編集長

「NFDT/SFDA」は、若手デザイナーを世界で活躍できる人材に育てるためのファッションコンクールです。「NFDT」は自由な発想でデザインを競う部門、「SFDA」は着物の生地などを活用したサステナブルなデザインを競う部門。デザインだけでなく、ビジネス体験やパリでの作品発表など、育成に重点を置いている点が特徴です。

どうして育成に力を入れているんですか?

gooddo編集長

ファッション業界で成功するには、デザインだけでなく商品化やプロモーションなどのビジネススキルも必要だからです。
たとえデザインが素晴らしくても、それをどう売り出すかを知らなければ成功は難しい。
このコンクールでは、そうしたスキルを学べる場を提供しています。

「アルムナイ」コミュニティとは?

gooddo編集長

「アルムナイ」は、コンクール応募者が情報交換や交流を行うためのコミュニティです。
応募者同士が切磋琢磨しながら成長できる場で、ワークショップや生地産地の訪問などの活動も行われています。
これにより、コンクール終了後もデザイナーとしてのキャリアを継続的に支援しています。

私たちができることはありますか?

gooddo編集長

若手デザイナーの挑戦を応援することができます!
公式サイトで彼らの活動をチェックしたり、SNSで情報をシェアしたりすることで、夢の実現を後押しできます。
ファッション業界の未来を支えるために、ぜひ応援してみてください。