
1分でわかる!gooddo編集部まとめ
- 日本特種ボディー(NTB)の「エクスペディションストライカー」が、日本初のフェーズフリー認証キャンピングカーに。
- 日常の快適性と非常時の防災機能を両立した設計が特徴。
- 太陽光発電とリチウムイオンバッテリーで、昼夜問わず電力供給が可能。
- 高い走行安定性と居住性で、家族やペットとの避難生活にも対応。
- フェーズフリーの理念が、災害対策の新たなスタンダードに。
キャンピングカーが防災の主役に?フェーズフリー認証キャンピングカーが示す新たな防災の形

「フェーズフリー」という新しい考え方をご存じでしょうか? これは、日常時と非常時という2つの状況を区別せず、普段使いのものが災害時にも役立つようにする考え方です。
非常時のために「備える」は意外と難しいものです。そのうえ、非常時に使うものは使い慣れていたほうが良い。ならば普段から使えて防災にもなるデザインにしよう、というのがフェーズフリーの理念です。この考え方は、災害大国である日本において少しずつ広がりを見せています。
そんななか、日本特種ボディー(NTB)が開発した新型キャンピングカー『エクスペディションストライカー』は、一般社団法人フェーズフリー協会が認定する「フェーズフリー認証」を、キャンピングカーとしては日本で初めて取得しました。
エクスペディションストライカーの特徴とは?他のキャンピングカーとの違い

キャンピングカーといえば、アウトドアや旅行のための車両というイメージが強いですが、『エクスペディションストライカー』はそれだけにとどまりません。一般的なキャンピングカーと比較して、より日常で使いやすく、より非常時の機動力が大きいという点で優れており、今回フェーズフリー認証を得られた要因となっています。
まず、いすゞ自動車の「トラビオ」をベースにした軽量設計により、燃費性能が向上。さらに、オートマ仕様で運転が簡単なため、大型車両に慣れていない人でも安心して運転できます。
また、太陽光発電とリチウムイオンバッテリーを搭載しており、昼夜を問わずエアコンや冷蔵庫を稼働させることが可能です。これにより、災害時に電力供給が途絶えても、快適な環境を維持できます。従来のキャンピングカーで課題のあった「長時間の電力供給」や「悪路での安定性」も克服し、日常と非常時の両方で高い価値を提供するキャンピングカーです。
さらに、居住スペースと運転席の間に大きな開口部を設けることで、家族やペットとのコミュニケーションが取りやすく、プライバシーも確保されています。後部キッチンでは調理中でも家族の顔が見える設計が施され、孤独感を軽減する工夫も。これらの設計思想は、日常の快適性を高めるだけでなく、非常時にも安心感を与えます。


キャンピングカーの中の様子
災害の専門家やフェーズフリー協会の代表理事からも絶賛の声

2025年7月30日に開催されたプレス発表会では、フェーズフリー協会 佐藤唯行 氏、日本福祉大学 教授 山本克彦 氏、SDGs防災キャンプ専門家 三沢真実 氏によるトークセッションも行われました。
「被災地では、スマートフォンの充電が命綱となることが多いんですよ。災害に関する情報収集や、保証のための手続きにもスマートフォンが必要。このキャンピングカーは電気の自給自足が可能なことはもちろん、電力をシェアすることで、避難者同士のコミュニケーションや情報共有を支える役割も果たします。」と話す佐藤さんと山本教授。
また、熊本地震や能登半島地震の際には、ペットを連れた避難が課題となったことも指摘。『エクスペディションストライカー』は、ペットと一緒に避難生活を送るためのスペースや設備が整っており、家族全員が安心して過ごせる環境を提供する点でもフェーズフリーと言えます。
「楽しみながら備える未来を提案することが、このキャンピングカーの使命です。災害時には避難所として、平時には家族旅行やアウトドア活動の拠点として活用できます」と山本教授は述べました。
防災と日常をつなぐ新しいライフスタイル
『エクスペディションストライカー』は、単なるキャンピングカーではありません。それは、楽しみながら備える未来を提案する移動型ライフラインです。災害時には避難所として、平時には家族旅行やアウトドア活動の拠点として活用できるこの車両は、SDGsの目標3(健康と福祉)、目標11(住み続けられるまちづくり)、目標12(つくる責任、つかう責任)にも貢献します。
防災が「特別な備え」から「日常の延長」に進化する中で、私たち一人ひとりがこの新しい価値観を受け入れることが、より安全で持続可能な社会の実現につながるのではないでしょうか。
『エクスペディションストライカー』が示す未来の防災と日常の融合。この新しいライフスタイルを、ぜひ体感してみてください!
公式ページはこちらから
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問い合わせ先情報
【解説】フェーズフリー認証とは?

フェーズフリーって何ですか?

フェーズフリーとは、日常生活で使えるものが非常時にも役立つという考え方です。たとえば、普段使っているキャンピングカーが、災害時には避難所や電源供給の拠点になる、といったイメージです。

フェーズフリー認証って何ですか?

フェーズフリー認証とは、日常時と非常時(災害時)の両方で役立つ製品やサービスを評価する制度です。一般社団法人フェーズフリー協会が運営しており、災害時専用ではなく、普段から使えるものが非常時にも活躍するという「備えない防災」の考え方に基づいています。

フェーズフリー認証を受けるための基準は何ですか?

認証を受けるためには、製品やサービスが「日常時の利便性」と「非常時の有用性」を両立していることが求められます。普段使いできるキャンピングカーが、災害時には避難所や電源供給拠点として機能する、といった具体的な価値が評価されます。

フェーズフリー認証が注目されている理由は何ですか?

災害が頻発する日本では、非常時専用の備えだけでは対応が難しいことが増えています。フェーズフリー認証は、日常生活の中で自然に防災を進められる点が評価され、特に高齢化社会や多様化するライフスタイルに適した新しい防災の形として注目されています。

フェーズフリー認証を受けた製品にはどんなものがありますか?

認証を受けた製品には、キャンピングカー「エクスペディションストライカー」のほか、ポータブル電源、ラップ式トイレ、避難用スーツケースなどがあります。これらは、普段の生活で便利に使えるだけでなく、災害時にも役立つように設計されています。

私たちがフェーズフリーを取り入れるにはどうすればいいですか?

まずは、日常生活で使うものが非常時にも役立つかを考えてみましょう。身近な中にもフェーズフリーは存在します。ポータブル電源や多機能なスーツケースなど、普段使いできる防災アイテムに代替するのも一つの方法です。
フェーズフリーの考え方は、私たちの暮らしをより安全で快適にする可能性を秘めています。ぜひ、この新しい防災の形を取り入れてみてください!