1分でわかる!gooddo編集部まとめ

  • 青森県の廃棄りんごをアップサイクルした合成皮革「RINGO-TEX®」が、弘前市の循環EVバス座席シートカバーに採用。
  • 弘前市は「ゼロカーボンシティ」を宣言し、地域資源の循環利用を推進。
  • 「RINGO-TEX®」は環境負荷を軽減し、地域経済の活性化にも貢献。
  • 地元スタートアップ企業appcycleが開発し、地域課題解決と持続可能な社会を目指す。

廃棄りんごが未来を変える!「RINGO-TEX®」の挑戦

青森県は日本一のりんご産地でありながら、毎年大量の廃棄りんごが発生していることをご存知ですか? その処理には環境負荷やコストがかかり、地域の課題となっていました

この課題に立ち向かったのが、地元スタートアップ企業appcycle株式会社です。同社は廃棄りんごをアップサイクルし、環境配慮型の合成皮革「RINGO-TEX®」を開発。これにより、廃棄物を資源として活用し、環境負荷を軽減する新たな道が開かれました。

「RINGO-TEX®」は、廃棄りんごの搾りかすを原料にした環境配慮型の素材で、石油由来のポリウレタン使用を削減し、CO2排出量も抑えています。また、動物性素材を使用しないヴィーガンレザーとして、アニマルウェルフェアにも貢献。質感や加工性は従来の合成皮革と変わらず、国内外のブランドから注目されています。

弘前市の循環EVバスで実現する持続可能な社会

弘前市は2024年に「ゼロカーボンシティ」を宣言し、環境負荷低減を目指した取り組みを進めています。その一環として、2025年3月から循環EVバスの運行を開始。このバスの座席シートカバーに「RINGO-TEX®」が採用されました。

この取り組みは、弘前市とappcycleが締結した包括連携協定に基づくものです。協定では、アップサイクル事業の推進や環境保全など、地域課題の解決を目指した10分野での連携が進められています。「RINGO-TEX®」の導入は、地域資源の循環利用と環境負荷低減を両立するモデルケースとして注目されています。廃棄りんごを活用した素材が、地元の交通インフラに組み込まれることで、地域の課題解決と持続可能な社会の実現に向けた一歩となりました。

地域から世界へ、アップサイクルの可能性

appcycle株式会社の代表、藤巻圭氏は「青森のりんご産業を守りながら、地域から世界を変えるアップサイクルモデルを広げたい」と語ります。同社は東北大学との連携で「RINGO-TEX®」を開発し、地域経済の活性化にも取り組んでいます。

さらに、「RINGO-TEX®」はANAの航空機ヘッドレストカバーやアパレルブランドとのコラボ商品にも採用され、国内外での展開が進んでいます。今後はりんご以外の廃棄素材を活用した商品開発も検討しており、アップサイクルの可能性は無限大です。

廃棄物を資源に変える技術は、地域課題の解決だけでなく、持続可能な未来を創る鍵となります。私たちもこうした取り組みに注目し、日常生活でできる環境配慮を考えてみませんか?

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【解説】廃棄りんごが座席シートに?アップサイクルの可能性を探る

廃棄りんごが座席シートになるってどういうことですか?

gooddo編集長

廃棄りんごを原料にした「RINGO-TEX®」という合成皮革が使われています。「アップサイクル」という技術で、捨てられるものを新しい価値ある素材に変えるんです。りんごジュースを絞った後の残渣(搾りかす)を活用して、環境に優しい素材を作っています。

たとえば、古い服をリメイクしてバッグにするようなイメージです。廃棄物をただ捨てるのではなく、新しい形で活用することで、環境負荷を減らせるんですよ。

「RINGO-TEX®」って普通の合成皮革とどう違うんですか?

gooddo編集長

「RINGO-TEX®」は、原料の72%が廃棄りんごなどのアップサイクル素材でできています。これにより、石油由来の材料を減らし、製造過程でのCO2排出量も抑えています。また、動物性素材を使わないので、動物福祉(アニマルウェルフェア)にも配慮したヴィーガンレザーなんです。

質感や加工性は従来の合成皮革と変わらないので、バッグや靴など、いろいろな製品に使われています。

廃棄りんごを使うと、どんなメリットがあるんですか?

gooddo編集長

まず、廃棄物を減らせるので環境に優しいです。そして、廃棄りんごを安価で購入することで、りんご農家に利益を還元できます。さらに、廃棄物を資源として活用することで、地域経済の活性化にもつながります。

たとえば、使わなくなった家具をリメイクして売ると、ゴミが減るだけでなく、新しい商品として価値が生まれますよね。それと同じような仕組みです。

私たちにできることはありますか?

gooddo編集長

廃棄物を減らすために、まずは「捨てる前に何かに活用できないか」を考えることが大切です。たとえば、古い服をリメイクしたり、使わないものをフリーマーケットで売ったりするのもアップサイクルの一種です。

また、環境配慮型の商品を選ぶことで、企業の取り組みを応援することもできます。小さな行動が、持続可能な社会を作る大きな力になりますよ!

「RINGO-TEX®」はどこかで買えますか?

gooddo編集長

「RINGO-TEX®」は、バッグや小物などの製品として販売されています。青森県出身の王林さんが手がけるアパレルブランド「What Is Heart」とのコラボ商品や、SEIKOの時計バンドなど、いろいろな形で使われています。公式サイトやInstagramで情報をチェックしてみてくださいね!